過労死や精神疾患が社会問題化され、業種・規模を問わず適切な労務管理が求められています。そのような中、脳心臓疾患、および精神障害等事案にかかる労災請求・認定件数が発表されましたのでお知らせ致します。

※厚生労働省 平成29年度過労死等の労災補償状況より

1.脳心臓疾患、および精神疾患等の労災補償状況

平成27年度 平成28年度 平成29年度
請求 認定 認定率 請求 認定 認定率 請求 認定 認定率
脳・心臓疾患 795 251 31.6% 825 260 31.5% 840 253 30.1%
精神疾患 1515 472 31.1% 1586 498 31.4% 1732 506 29.2%

2.脳・心臓疾患の年齢別件数

平成29年度
請求 認定 認定率
19歳以下 0 0
20~29歳 17 3 17.6%
30~39歳 64 24 37.5%
40~49歳 230 97 42.2%
50~59歳 290 97 33.4%
60歳以上 239 32 13.4%
合計 840 253 30.1%

3.精神障害等の年齢別件数

平成29年度
請求 認定 認定率
19歳以下 17 6 35.5%
20~29歳 363 114 31.4%
30~39歳 446 131 29.4%
40~49歳 522 158 30.3%
50~59歳 318 82 25.8%
60歳以上 66 15 22.7%
合計 1732 506 29.2%

4.脳・心臓疾患の月平均の時間外労働時間

平成29年度
認定 うち 死亡
45時間未満 0 0
45~60時間 2 1
60~80時間 11 5
80~100時間 101 38
100~120時間 76 26
120~140時間 23 11
140~160時間 16 6
160時間以上 20 3
その他
合計 249 90

5.精神障害等の月平均の時間外労働時間

平成29年度
認定 うち 自殺
40時間未満 110 17
40~60時間 35 10
60~80時間 33 10
80~100時間 33 11
100~120時間 41 12
120~140時間 35 10
140~160時間 26 9
160時間以上 49 12
その他 144 7
合計 506 98

2.損失や負担

使用者には安全配慮義務があるため、万が一、過重労働による事故、病気、死亡となった場合は、次のような責任を問われることがあります。

  1. 民事上の損害賠償責任
  2. 業務上過失傷害などの刑事責任
  3. 事故による営業停止に伴う経済的損失
  4. 事故を発生させたことによる社会的信頼の失墜
  5. 訴訟等になった場合の社会的評価の失墜
  6. 訴訟等の準備に伴う経済的・時間的損失
  7. 訴訟等の準備に伴う精神的疲労